レアな国際情報Tomo通信

レアな国際情報をお届けします。

【新型コロナウイルスによる今後の中国経済への影響は】

新型コロナウイルスの蔓延により、今後の経済にどのような影響がもたらされるか。想定できることを纏めてみました。

 

<中国では春節依頼1カ月経済が停滞>

 中国では12月末頃から新型コロナウイルスの話題が報道され初め、春節の頃から感染者が一気に拡大し、それから現在に至るまでの約1カ月間は中国全体が停止している状況です。最近になって一般企業の稼働再開が始まってきていますが、春節に里帰りしていた人達がまだ生活区域に戻れない事情もあり、各企業が正常に営業することができるのにはまだ時間を要します。

 

<中国GDPの実態は>

多くの日本人は、中国が毎年6%以上のGDP成長をして今や世界第2位の豊かな経済大国になっていると思う方が多いと思いますが、実際にはその数字だけでは語れない裏側が多々あります。実は中国経済は2015年あたりから成長が鈍化しており、政府が発表しているGDP成長率も改ざんされているので、実際の成長率はもっと低いというのが現在では定説になっています。私は長い間中国で生活していましたが、特に2018年からは目に見えるくらいの落ち込みだったと思います。それらの原因についてはまた別の機会に書きたいと思いますが、そのような近年の景気低迷から今年は年明け早々から新型コロナウイルスの問題で中国全体が停滞しており、これからどのような状況になっていくのでしょうか。

 

<今後予測される展開は?>

まず、最初に考えられることは、中国GDPの第3次産業が占める割合は2018年の実績で約53%となっていますので、中国内のサービス産業へのダメージからの景気減速です。

例えば外食産業では、大手チェーン店から個人経営まで多くの店舗がありますが、それぞれが深刻な問題を抱えています。中国の大手企業は往々にして店舗拡大を重視しているので、多くの資金を新店舗開設につぎ込むことが多いので企業内の蓄えをあまり持っていません。その為に、今回のように長い時間店の営業ができないと売上が無い状態で店の家賃や従業員の給与をしはらわなければならず大きな痛手となります。中国は広いので大手チェーンであれば全国で店舗数が1000店や2000店を超えるような企業も多いですが、損場合人件費だけで一日に2億円、3億円ということになり資金力の無い企業は苦しい状況になります。個人経営の店においても家賃の支払いや借金の返済等を抱えていれば即影響が出てきます。

そのようなことから、今後この新型コロナウイルスが即終息しなけれれば、多くの企業や個人経営店が倒産に追い込まれることになります。