レアな国際情報Tomo通信

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中国が抱えている食糧問題は、今後世界でも深刻な問題となる。

 今中国は深刻な食糧問題に直面している。この20から30年の間に工業化が進み農地が減り、農業を営む人は田舎の一部の人達だけとなり、食糧の自給率が著しく低下している。中国は農業大国だと思われがちであるが、実際は海外からの輸入に頼っている。今後益々、食糧問題から別の問題に発展していく可能性も高い。

 

-この30年間にみる中国食糧事情の変化-

 

中国はこの30年間で著しい経済成長を遂げ、生産国として第二次産業の拡大から、今や第三次産業の拡大へ先進国が歩む方向性に変化してきている。どの国も新興国から発展していくうえでは同じ道を歩んでいくわけであるが、第三次産業が拡大すれば自ずと農業に携わる人が減少し、食糧の自給率が低下することは自然な流れでしょう。また、世代が変われば食への思考も変わるので、30年前の中国人と今の中国人とでは、食するモノがかなり変わってきている。

例えば中国人は豚肉を好み、牛肉はあまり食べないというのが通説であったが、今や若者を中心に牛肉の消費量は増えており、外食産業においても外資チェーンの進出も多いので食生活が激変している。

 

少し話は逸れますが、元来中国では暖かいものしか飲まない風習があります。例えばお茶、水、ビール、ジュース等。今の40歳代以上の世代は冷たい飲み物は好みません。しかし、30代から若い世代の人達は冷たい飲み物も好むようになり、飲み物の文化も変化してきています。少し前まではローカルのレストランでビールといえば常温しかありませんでしたが、今は殆どの連ストランで常温ビールと冷やしたビールの両方を置いています。

 

-すでに安全な農地確保は難しい状況-

 

 特にこの20年くらいの間には工業化が進み、今まで農地であった場所が工業地区になり、インフラ整備や不動産建設の乱立もあり農地が益々減少している。また、工業化により汚水の垂れ流しや、残っている農地も農薬の大量使用で今や中国の土壌全体の70%が汚染されていると言われている。現在、中国政府も食糧の自給率を上げるための政策を講じているようだが、汚染された土壌が基に戻るには長い月日を要するし、農業に携わる人も少なくなっているため、実際に自給率を上げていくことは簡単ではないでしょう。

 

-今後現実化してくる食糧不足と食品価格の高騰-

 

 昨年は米中貿易戦争の影響で、アメリカから輸入している食糧が一時滞り、その影響で食品の価格が高騰していました。最初は豚肉の価格が2倍以上に跳ね上がり、その影響で他の食品の価格も高騰していました。食糧の自給率が下がり輸入比率が増えると、その輸出先との関係次第で価格や供給量に影響がでてきます。2015年あたりから中国では景気の低迷が始まり、今年初めからの新型コロナウイルスの問題から今後更なる景気後退が予測されます。

 

景気後退

企業倒産増

失業率増

可処分所得減少

 

上記のような負の連鎖に陥ります。これに物価の上昇が加われば人民の生活は成り立たなくなります。

 

-食糧不足は中国だけでなく、世界的な問題になる―

 

 現在中国の人口は14億人ですが、2050年には20億人になるといわれています。特に問題なのは、中国も日本と同様に高齢化が進んでいることです。中国は長く一人っ子政策をとってきました。最近では一定条件を満たせば2人まで子供を持つことができます。しかし、景気が後退してくると所得も上がらないので子供を増やす家庭は多くないでしょう。よって、高齢化が益々進行していきます。また、中国では医療も進歩もしてきているので、高齢化が加速します。そのように人工増加していく将来において食糧問題は大きな問題となるでしょう。

 

中国に限らずですが、世界の人口も現在の70億人から100億人になるという予測もあります。今後世界でこの食糧問題は深刻になることは間違いないでしょう。

 

毎年、中国も全世界も軍事予算ばかりを拡大させて、無駄な軍備ばかりにお金を使っていますが、そんなことよりもっと重要な食料問題にお金を使ってもらいたいものです。

 

世界中で様々な問題がある中で今何が大事なのか!全世界が真剣に考え実行しなければ人類は生存できなくなります。