レアな国際情報Tomo通信

レアな国際情報をお届けします。

“遅すぎる” 政府の対応は、国際社会から立ち遅れた日本人気質そのもの。

「日本政府は何を考えているのか?」 今の新型コロナウイルス感染拡大の局面で、いつまでも緊急事態宣言を出し渋っている心理が全く理解できません。以前からの日本人気質である“石橋をたたいて渡る”主義なのか。今何を早急にしなければならないのか。誰でもわかることではないでしょうか。

 

-日本人的気質は今の国際社会では通用しない-

 

私は長く海外に居たので余計に感じるのかもしれませんが、日本人は“石橋をたたきすぎ”だと思います。例えばビジネスの商談時に日本人は取引先に対して「前向きに検討します」という言葉をよく使いますが、その後、会社で会議を何度も重ね、各セクションの上司の承認を経てという作業になりますが、結果として何カ月経過しても何も決定しないことが多々あります。特にバブル崩壊後からは各企業は収益を上げるために決済事項を慎重に見極める気質が根付いたものと思います。

よく日本からお客さんが出張で海外に来られ、現地の取引先を訪問した際に、朝から夕方まで商談し、夜は食事の接待を受けて2~3日滞在するケースが多いですが、最終日に取引先がお客さんに今回の商談成立可否を確認すると必ず「日本に帰って会社で前向きに検討します」という返事が返ってきますが、英語でも中国語でもその日本語を直訳できる単語は私の知る限りはありません。私は通訳の専門家ではないのでどのように訳したら良いのか困ったことが多々あります。

このような曖昧な言い方をするのは日本だけで、他の国々ではYESかNOかどちらかなのです。それでも日本の景気が良い時代には海外の企業もこの日本的な曖昧な会話を容認しましたが、今では全く通用しないことを理解していない日本人が多いです。

 

-日本政府、政治家も同じ-

 

 現在、日本政府の対応を見ていると、上述の日本企業の気質と同じものを感じます。今や新型コロナウイルスの対策は一刻を争う状況なのに、政府は石橋をたたくばかりで、何かのんびりしている感があります。この新型コロナは中国から始まり、その後日本、韓国へ広まり、更にヨーロッパ-、アメリカというような順序で拡散しましたが、日本以外の国々は対応策の打ち出しから実行までが早いですが、日本だけがダラダラしていて何も効果的な対策の実行ができていません。マスク2枚の実行の早さではなく、もっと大きな施策の実行力が必要なのです。

 

 今朝(4月6日現在)のニュースで政府が緊急事態宣言へ意向を固めて諮問委員会に諮り近く宣言に踏み切るという記事がでていたが、テンポが遅すぎてピンボケしているとしかいえない。

 

-このままでは新型コロナ問題を機に日本は立ち直れなくなる―

 

 バブル崩壊後、日本経済は約30年間低迷を続けています。アベノミクスで一時期景気が良くなったなどと言っていますが、実態は金融政策で株価を上げただけで、実態経済は何も良くなっていません。実際に日本国民の平均給与は1997年の467万円がピークで、2019年は420万円程度になっています。22年間で約10%も下がっているのです。これで景気が回復していると何故言えるのでしょうか?確かに一部の大手企業は潤っているのでしょうが、大半の一般企業、国民は疲弊しているのです。世界の先進国の中で20年の間で国民所得がこれだけ下がった国はあるのでしょうか?

 

この低迷の原因は日本政府にもありますが、日本企業全体の問題でもあります。上述のように、いつまでも昔の好景気を忘れられずに考え方や手法を変えないことが景気低迷の大きな原因なのです。その原因に気付かなければ日本は本当に立ち直れなくなるでしょう。

 

今や世界が国際社会となりグローバル化し、更にITが進化した状況で、何事も変化が早い時代になっています。早い変化に対応するためには即決、即断が必要になってきますが、それができなければ国際社会からは取り残されるでしょう。

 

日本には日本人にしかない良い文化や考え方も多くありますが、それだけでは存続できなくなってきているので、今後もっと“柔軟かつ正確で早い対応”これがキーワードになるでしょう。