レアな国際情報Tomo通信

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シリア難民に罪はない、新型コロナばかりで報道されていないシリアの現状。

 最近は新型コロナウイルス報道一辺倒で、あまり他のニュースが報道されていませんが、今、シリア情勢が更に深刻な状況になっています。にもかかわらず、何故日本のメディアは新型コロナのみ、それも表側の遅れた報道ばかりなのでしょうか。他国のメディア報道と比べると、日本のメディアのレベルの低さを感じざるを得ません。

 そこで、今日は最新のシリア情勢を纏めてみました。

 

-シリア内戦が起こった経緯は―

 

2010年末から2012年にかけて、「アラブの春」という北アフリカと中東で起きた民主運動が起こりました。チュニジアからその後エジプト、シリア、リビア、イエメンなどに波及し、政権が替わった国もあれば未だに内線になっている国があります。エジプトでは30年間続いたムバーラク政権、リビアでは42年間続いたカダフィ政権が崩壊しました。

 シリアはアサド大統領による独裁政権が40年続いており、この「アラブの春」の影響でシリアにも民主運動が起こりました。最初は民主化を求めるデモだけでしたが、その後、近隣国から軍事支援を受けたため武装化自由シリア軍となりました。更に自由シリア軍が政府軍を圧倒してきて、2012年頃から自由シリア軍からヌスラ戦線という過激派組織が分裂発生し、政府軍に壊滅的な打撃を与えるに至りました。

そこで、アサド政府軍はロシアやイランのバックアップを受け反撃をしていきます。そして更にイスラム国(ISIS)の介入が始まり、アサド政府軍、反政府軍、ISISの三つの組織が入り乱れたかたちになったため、内戦が激化し現在の混乱を招いています。

 

-窮地に立たされているシリア難民-

 

シリアでの内戦勃発から9年が経過していますが、トルコ、ロシア、イランが介入しているが今のところ終結の兆しはなく、様々な国々が介入した中東情勢は益々複雑になってきています。

1月に入ってからはシリア・ロシア軍が反政府派の拠点であるイドリブ県周辺を激しく攻撃した。(この9年間で最大規模の攻撃)これにより、更に95万人ものシリア難民がヨーロッパに向かい始めています。

現在、シリアの難民は670万人ともいわれており、ヨーロッパ諸国に多くの難民が移動している。以前よりドイツやトルコは難民の受け入れをしており、トルコではすでに350万人の難民を受け入れている。この背景には西ヨーロッパ諸国がトルコを支援し難民が西ヨーロッパに増えないようにする思惑があるが、トルコとしてもこれ以上の難民受け入れは出来なくなっている。

今回の戦闘で95万人もの難民が移動をはじめているが、トルコが受け入れられなくなったことで、ギリシャ国境に難民が集まってきている。

 

1月2月のシリアは雪も降る冬です。難民キャンプでは多くの難民がテントの中で薄い毛布にくるまって、十分な食料もなく生活しています。難民の支援は国連が主体になっていますが、今回更に難民が95万人も増えれば国連も対応が難しくなるでしょう。

 

-科学が発達しても、人間は発達しない-

 

 人類はこの数百年の間に目覚ましい発展をしてきました。自動車が誕生したのはほんの120年くらい前ですが、今では高性能なハイブリッドや電気自動車も普及して、これからは自動運転も当たり前の時代がくるでしょう。自動車産業だけでなく、この50年くらいの間には宇宙開発も進んでおり、宇宙にロケットを飛ばせるまでになりました。

 

しかし一方では、未だに様々な場所で戦争や紛争、テロ、環境汚染等が発生しており、これらは全て人間が起こしたことで、それぞれの利権(欲)のためではないでしょうか。   特に戦争は何千年も前から同じことを何度も繰り返しているのです。

 

科学が発達しても人間の思考は発達しない。このままではいつか地球は滅んでしまいます。